Kibelaとは?人事評価とどう関係するのか
株式会社ビットジャーニーが提供する「Kibela」は、社内ナレッジを蓄積・共有できる情報共有プラットフォームであり、その可視化された活動履歴や投稿内容を人事評価に活かすことで、評価の透明性や納得性を高めるツールとして注目されています。
ここでは、Kibelaについて詳しく解説します。
ナレッジ共有ツールKibelaの概要
Kibelaは株式会社ビットジャーニーが提供するナレッジ管理ツールで、マニュアルや日報、議事録、社内ブログなど多様な情報をリッチテキストやマークダウン形式で記述・整理できます。
フォルダ階層やタグによる構造化、検索機能、共同編集、Slack連携、AIによる類似記事提案機能等を備えており、組織内の知見を体系化しやすくする点が特徴です。
人事評価における情報の可視化・共有の重要性
組織では、成果や業務プロセスの可視化が不十分な場合、評価の主観性が増して納得性が低下しがちです。
Kibelaを使えば、誰がどの知見を投稿し、誰がコメントや「いいね!」を残したかなどが明確になり、情報発信や活用の貢献が客観的に把握できます。これにより、透明性のある評価制度の構築が可能です。
なぜKibelaが人事評価と相性が良いのか
Kibelaは投稿数やコメント、いいね数、閲覧ログなどを通じて個々のナレッジ貢献を可視化でき、従来評価が評価されにくかったドキュメント化や知見共有を適切に評価可能にします。
さらに、MBOや目標管理制度に「Kibelaでの記事投稿や活用状況」を成果物としてリンクすることで、評価制度とナレッジ活用を自然に統合できます。
Kibelaを活用した人事評価のメリット
Kibelaの投稿や閲覧、コメント記録と連携することで、従来「見えづらかった行動貢献」も客観的に把握でき、評価の透明性や納得感を高めるほか、人事制度に自然とナレッジ活用を組み込めるメリットがあります。
ここでは、メリットについて解説します。
評価内容の透明化で納得感がアップ
Kibelaでは誰がどの記事をいつ投稿したのか、コメントや「いいね!」の量などが履歴として残り、個々のナレッジ貢献が可視化されます。これにより、人事評価において交付される評価が「主観的な印象」ではなく、実際の活動記録に基づく客観的な判断となります。
特に評価内容が透明であるほど、被評価者の納得感やモチベーションが向上し、公平で建設的な評価制度の構築につながります。
フィードバック文化の定着を促進
Kibelaのコメント機能や共同編集機能を活用すれば、記事に対してリアルタイムにフィードバックが可能です。
例えばドキュメント投稿ごとにコメントやレビューが返されることで、部門間やチーム内のナレッジ交換が促進され、評価につながる対話的文化が自然と醸成されます。こうした日常的なやりとりがフィードバック文化として定着することで、評価が単なる評価ではなく成長支援の一環となります。
ナレッジを人事考課の一部に取り入れる事例も
実際にKibelaを導入している組織では、自己評価シートや振り返りシートをKibela上で全社公開し、P2Pフィードバックを通じて他者からの評価コメントを得る運用を行っています。
これらを評価面談(たとえば半期ごとの1on1)と連動させることで、ナレッジ共有活動がそのまま評価対象となり、成果とプロセスを統合した人事考課が実現されています。特にFinatextでは、Kibela上に投稿されたコメントやフィードバックを評価制度と連携させ、評価と報酬の根拠として活用しています。
Kibelaと人事評価の連携事例
Kibelaを活用した人事評価の事例では、ナレッジの投稿や共有を評価基準として運用し、評価制度と知識活用の連動を実現しているケースが増えています。
ここでは、事例について解説していきます。
社内のマニュアルや実績を評価材料に
Kibelaを導入している企業では、業務マニュアルや議事録、成果物などを明確に文書化し、誰がどのページを作成・更新したかを記録。これらの貢献を評価材料に取り入れることで、専門性や業務効率化に関する知見共有への貢献を公正に評価しています。
例えば、エンジニア主導で共有されたドキュメントが全社活用され、知見の可視化を通じて評価に繋がった事例があります。
自己評価や振り返りにKibelaを活用
従業員がKibela上で自己振り返りや自己評価レポートを投稿し、P2P(同僚間)や上司からフィードバックを得る運用も行われています。これらの記録は半期の1on1や評価面談の前提資料として活用され、成果だけでなくプロセスにも目を向ける評価が可能になります。
実際、目標管理制度(MBOなど)と連動した運用が進んでいる企業もあります。
Slack連携でフィードバックの流通を促進
KibelaのSlack連携を活用すれば、新規投稿やコメントがSlackチャネルに通知され、リアルタイムでフィードバックや「いいね」が流通します。この仕組みにより、情報共有の促進と同時にフィードバック文化が醸成され、部門横断のコメントや評価機会が増加します。
実際に共有投稿がSlack経由で活発に議論されることで、評価担当者にも社員の貢献が伝わりやすくなるケースがあります。
Kibelaの主な機能と人事評価への応用
Kibelaはタグやフォルダによる構造化、コメントや共同編集、閲覧履歴の記録など、多彩な機能があり、これらを人事評価に活用することで、ナレッジ貢献の可視化から定量評価まで制度と自然に連携できます。
構造化・タグ管理で評価対象情報を整理
Kibelaではフォルダ・タグの仕組みで投稿を整理し、誰がどのカテゴリの情報を投稿・更新したかを明確にできます。これにより、特定のプロジェクトやテーマに関連する貢献を抽出しやすくなり、人事評価対象の資料として体系的に整理可能です。
タグ付き投稿を評価基準の一部に取り入れることで、業務ナレッジの可視化と評価の連動がスムーズになり、評価の公平性と整合性を担保します。
共同編集・コメント機能でフィードバック促進
Kibelaの共同編集機能では複数のメンバーが同時に記事を更新でき、コメント機能を通じてピアレビューや上司による助言がリアルタイムに反映されます。
これにより投稿を単なる知識共有に終わらせず、対話的なフィードバックプロセスを構築しやすく、評価へつながる活動としてナレッジ活用を促進します。フィードバックが投稿内容に反映される事で、成長支援と評価の連動性が高まります。
閲覧履歴・投稿状況を定量評価に活用可能
Kibelaは誰がいつどの記事を閲覧したか、どれほど「いいね!」やコメントが集まったかというログを記録しています。このデータを活用すれば、投稿の影響力や閲覧数の多寡を人事評価の定量的指標として導入できます。
例えば、投稿数、閲覧数、フィードバック量をKPIとし、評価制度と連動させれば、ナレッジへの貢献を明確に定量化して評価制度に反映することが可能です。
Kibelaを導入する際の注意点と工夫
Kibela導入時には、「何を共有すべきか」の前提設計やフォルダ・権限ルールの設定、そして情報の整理・可視化を維持するためのガイドライン整備が重要です。評価制度との連携も見据えた運用設計を行いましょう。
ここでは、導入時の注意点と工夫する点について紹介します。
導入前に「何を共有すべきか」評価設計と連携を
Kibelaは情報共有に特化しており、タスク管理やリアルタイムチャットは別ツールに任せる運用設計が推奨されます。
事前に
- 「Kibelaに蓄積する情報(マニュアル、議事録、技術知見など)」
- 「蓄積しない情報(タスクやChatのような小規模情報)」
これらを明確に区別し、評価制度や目的設計と連携させて活用範囲を定めておくことが開始前の重要なポイントです。
フォルダや権限の設計が運用の鍵
Kibelaでは自由にフォルダを作成できますが、階層を深くしすぎると目的の記事を探しにくくなります。運用ルールとしてフォルダは「3階層以内」に制限し、テンプレートとタイトルプレフィックスで一貫性を保つ仕組みを整備すること。
また、ユーザー権限はオーナー・管理者・フルメンバー・ゲストの4段階から適切に設定し、投稿者や閲覧者のアクセス範囲を制御する設計が運用成功の鍵です。
情報過多・属人化を防ぐナレッジガイドライン
投稿ルールと運用方針をまとめたナレッジガイドラインを整備することで、
- 「どんな情報を投稿するのか/しないのか」
- 「タイトルに使うプレフィックスやタグの形式」
- 「テンプレートの活用」等を統一できます。
これにより重複投稿や情報の散逸を防ぎ、組織内で活きるナレッジ文化が継続しやすくなります。また、管理者を明確にしてルールの変更や権限管理を適切に行う枠組みづくりも重要です。
料金プランとサポート体制
Kibelaは、目的と規模に応じた4つの料金プランを提供し、無料トライアルやサポート体制も整備。評価活用を含めた導入時の設計からセキュリティ対応まで、充実した体制が特徴です。
ここでは、料金形態とサポート体制について解説します。
Kibelaの料金体系(無料トライアル・有料プラン)
Kibelaは
「コミュニティープラン(無料/最大5ユーザー)」からスタート可能で、ライト・スタンダード・エンタープライズと段階的に機能が拡張されます。
- コミュニティーは無料/最大5ユーザー、容量1GB。
- ライトは月額550円/ユーザー、容量5GB、監査ログ等が利用可。
- スタンダードは月額880円/ユーザー、容量10GB、Kibela AIや権限管理、外部共有制限等が追加。
- エンタープライズは月額1,650円/ユーザーで容量20GB、多要素認証・SAML SSO・IP制限・優先サポートなど法人向けの高度セキュリティ機能を備えている。
すべての有料プランには無料トライアルがあり、スタンダードは1ヶ月、エンタープライズは2ヶ月試せます
プラン名 | 月額料金(/ユーザー) | 容量 | 主な機能/特徴 | 無料トライアル |
コミュニティープラン | 無料(最大5ユーザー) | 1GB | 基本機能 | – |
ライトプラン | 550円 | 5GB | 監査ログなど | あり |
スタンダードプラン | 880円 | 10GB | Kibela AI, 権限管理など | 1ヶ月 |
エンタープライズプラン | 1,650円 | 20GB | 高度なセキュリティ機能、優先サポートなど | 2ヶ月 |
導入サポートやセキュリティ対応の概要
Kibelaは各プランでメールやチャットのサポートが提供され、エンタープライズプランでは優先対応が受けられます。
セキュリティ面では多要素認証、SAML 2.0シングルサインオン、IPアドレス制限、監査ログ保存やアクセス権限管理など大企業にも対応可能な高度な機能を標準で備えており、安全なナレッジ共有基盤を構築できます。
人事評価用途に関するサポート活用例
Kibelaでは、人事評価と連携したナレッジ活用についても、無料の導入支援や運用設計サポートが受けられます。
例えば、評価制度との接続ポイントや貢献可視化の設計支援など、制度運用含めた導入支援が可能です。評価を目的としたアクセスログや投稿数の定義、AIによる記事確認支援などの機能も活用できるため、評価制度との連携を意識した運用設計に活かせます。
他の人事評価ツールとの比較
Kibelaは知識共有を中心としたプラットフォームであり、カオナビやHRMOSなど評価管理特化ツールとは性質が異なります。OKRやMBOとの連携も含め、Kibelaが補完的に機能するケースを比較します。
評価クラウドとの連携相性(例:カオナビ・HRMOSなど)
カオナビやHRMOS(HRMOS CORE)は、評価ワークフローや人材データベース、スキル可視化に強みを持つ評価クラウドです。
Kibelaはこれらに比べると評価機能は搭載していないものの、ナレッジ共有や投稿・閲覧ログなどの活動履歴を評価ツールに連携する補完的な役割を担えます。
例えば、Kibelaによるナレッジ活動データをHRMOSやカオナビにインポートし、評価基準の一部として扱うことで、定量化された貢献度として評価制度と相性が良い構成となります。
ツール名 | 強み / 主な機能 |
カオナビ / HRMOS | 評価ワークフロー、人材データベース、スキル可視化 |
Kibela | ナレッジ共有・投稿・閲覧ログなどの活動履歴を評価ツールに連携(補完的役割) |
OKR・MBOなどの目標管理との統合運用
OKRはチャレンジングな目標と進捗の可視化に重点を置く目標管理手法であり、給与や昇進に直結させない運用が推奨されます。一方、MBOは人事評価とリンクする目標管理制度です。
Kibelaは、投稿やナレッジ貢献の履歴をOKRやMBOと併用して利用可能です。OKRで挑戦行動を促進しつつ、MBOで達成度評価を行う体制の中で、Kibelaは日々の投稿や振り返りを定量・定性両面から可視化する補完的プラットフォームとして統合運用できます。
手法 | 特徴 |
OKR | チャレンジングな目標と進捗の可視化。給与や昇進に直結させない運用を推奨。 |
MBO | 人事評価とリンクする目標管理制度。 |
Kibelaが向いている企業規模・業種
Kibelaは特に知識集約型やテック系、少人数スタートアップ〜中堅企業に向いており、自律的な情報発信やドキュメント文化を重視する組織に適しています。明確な評価システム構築が整っている大企業では、HRMOSやカオナビといった評価主導ツールのほうがメインとして導入されやすいですが、Kibelaはこれらと連携できるため、評価制度の補完的役割として導入が有効です。
また、チーム横断のナレッジ共有やリモート環境下での知見蓄積を重視する企業文化と相性が良い傾向があります。
よくある質問
ここでは、Kibelaを人事評価と連携して活用するにあたって、機能面・運用面でよく寄せられる質問をQ&A形式でまとめました。評価制度と連動する際の不安や疑問を事前に解消しておきましょう。
Kibelaで評価結果を管理することはできる?
Kibela自体には評価スコアの入力・集計といった人事評価専用の管理機能はありません。したがって、評価スコアを記録・管理するには、カオナビやHRMOSなどの評価クラウドと組み合わせるか、別のシートやSaaSとの併用が必要です。
ただし、Kibelaでは各従業員の投稿数、記事の質、コメント内容、リアクション履歴(いいね・閲覧履歴など)が可視化できるため、これらの活動ログを「評価の材料」として活用することは十分可能です。
どのような投稿が評価対象になる?
人事評価の指標として活用できる投稿例には、以下のようなものがあります。
- 業務マニュアルの作成・更新
- ナレッジ共有のためのTIPS記事
- 日報・週報・自己振り返り投稿
- プロジェクトレビューや議事録
- 他者へのフィードバックコメント投稿
これらの投稿が、組織全体の生産性向上や知見の定着に貢献していると判断される場合、定性評価や定量KPI(投稿数・リアクション数)として評価対象になることがあります。
社外公開記事と評価情報の切り分けは?
Kibelaでは記事単位で「社内限定」「社外共有可能」など公開範囲を設定できます。これにより、人事評価に関する内容(例:1on1記録や自己評価投稿)は社内の特定グループだけに制限し、ナレッジとして広く公開すべき技術記事やマニュアルは社外公開といった使い分けが可能です。
また、エンタープライズプランではより詳細な権限管理が可能となり、部署・プロジェクトごとにアクセス制限を設定できるため、評価用途と公開ナレッジを明確に切り分けた運用が実現できます。
まとめ
Kibelaは、ナレッジ共有を通じて組織の知的資産を可視化・蓄積できるだけでなく、人事評価制度と連動させることで「見えづらかった貢献」も評価対象にできる革新的なツールです。投稿数やフィードバック履歴、コメント内容といった活動記録は、評価における透明性や納得感の向上に寄与し、特にMBOやOKRといった目標管理制度とも高い親和性を持ちます。また、Slack連携やフォルダ設計、タグ管理などを活用すれば、業務プロセスと評価基準を自然に接続する運用も可能です。
導入時には「何を共有すべきか」といった評価設計との整合性や、情報の整理・管理体制の設計が重要となりますが、Kibelaの柔軟な機能とサポート体制により、中小〜中堅規模の企業でも無理なくナレッジ評価文化を根付かせることができます。知識の共有と評価を同時に推進したい企業にとって、Kibelaは選択肢の一つとなるでしょう。