Cornerstone(コーナーストーン)の人事評価とは?機能の特徴や事例を解説

目次

Cornerstoneとは?グローバルで支持される人事評価クラウド

Cornerstoneは、学習管理(LMS)やパフォーマンス評価、タレント管理、分析、人財流動性を1つのAI搭載プラットフォーム「Cornerstone Galaxy」で提供するグローバルリーダーのHCMソリューションです。世界7,000社以上で導入され、多様な人事ニーズを統合的に支えています。

ここでは、人事評価クラウドについて解説します。

採用から育成・評価・配置まで一元管理できるHCMプラットフォーム

Cornerstone Galaxyは、

  • 採用(Recruiting)
  • オンボーディング
  • 評価(Performance Management)
  • ラーニング
  • 昇格・後継者育成(Succession)
  • 人財の社内流動性(Talent Marketplace)を一つのクラウド基盤で管理可能です。

AIとスキルデータ統合により、適切な人財を配置し、継続的な成長を促進。各モジュールを連携させることで、部門横断的に人事プロセスを最適化します。

世界7,000社以上に導入される理由とは?

世界7,000社超の導入実績は、組織の規模や業界を問わず高く評価されています。その背景には、グローバルに展開可能なプラットフォーム設計、セキュリティ・コンプライアンス対応、豊富なユースケース(金融・製造・教育など)への対応力、さらに業界トップアナリストからの評価と複数の受賞歴があります。

加えて、実装後のカスタマーサクセスチームやグローバルコミュニティの支えが、継続的な導入価値を支えています。

ラーニングと人事評価を組み合わせたタレントマネジメント

Cornerstoneは、ラーニング管理(Learn/LXP)とパフォーマンス管理を密接に統合し、目標設定・フィードバック・トレーニングを連動させた成長サイクルを実現します。

AI搭載のスキルグラフに基づき、従業員にパーソナライズされた学習コンテンツを提供し、自律学習と評価の納得感を両立。さらにTalent Marketplaceと組み合わせて、社内配置や次世代リーダー育成を支援し、戦略的な人財活用を促進します。

Cornerstoneの人事評価機能とその活用法

Cornerstoneの Performance モジュールは、目標設定・評価・フィードバック・継続的対話を一体化したクラウド型パフォーマンス管理システムで、評価制度の運用を効率化しながら戦略的な人財育成を支援します。

ここでは、人事評価機能と活用方法について解説します。

OKRやMBOと連動した評価制度の運用をサポート

Cornerstone Performance は、OKR(Objectives and Key Results)や伝統的な MBO(Management by Objectives)とシームレスに統合でき、組織目標と個人目標のアラインメントを促します。

個人やチームで設定した目標とその成果を、年次評価だけでなく四半期ごとのレビューや継続的フィードバックと連動させることで、透明性と納得感の高い評価制度を構築。リアルタイムの進捗確認や結果に基づく自動評価テンプレートを活用し、評価プロセスの効率化と公平性の両立を実現します。

リーダー候補の発掘や適正配置にも有効

Cornerstone はスキルグラフと後継者育成(Succession)機能を備え、評価データとラーニングパフォーマンスを組み合わせて将来のリーダー候補を可視化します。高潜在力の人財を識別し、キャリアパスや配置計画と連携することで、組織内での適材適所な配置と持続的なスキル開発を促進。

Succession やTalent Marketplaceとの統合により、戦略的人財配置と組織の継続可能な成長を支えます。

目標管理・フィードバック・評価面談のプロセスを効率化

Cornerstone Performance は、目標管理・継続フィードバック・評価面談(Performance Reviews)を統合したプラットフォームを提供し、評価サイクル全体を効率化します。

リアルタイムでのチェックイン、コーチング、360度フィードバック、AIを活用したアラートや提案機能により、マネージャーと被評価者が常に対話を継続可能。さらにダッシュボードとレポート機能により、HRは組織全体のパフォーマンス傾向やスキルギャップを可視化し、戦略的な施策立案が容易になります。

導入企業の活用事例|評価の見える化と人財育成の好循環

Cornerstoneを導入した企業では、評価とラーニングを連動させた一元管理により、属人化を排除し、全社で評価基準の可視化と公平性の担保を実現。特にグローバル企業や多拠点展開企業では、高いROIや定着率向上が報告されています。

ここでは、導入企業の事例を解説します。

研修と連動させた人事評価でパフォーマンス向上

導入企業では、学習管理(Cornerstone Learn)と人事評価(Performance)を結びつけ、社員が学んだ内容を即時フィードバックや目標達成に反映。

例えば大学系組織では、ラーニングから得た結果を評価に活用し生産性や成果達成率が大幅に向上。また、金融や通信業界では、自主学習によるモチベーションと評価制度の連携が離職防止や社員の定着率改善に貢献しています。

属人化を解消し、公平で納得感のある制度を構築

Cornerstoneの統合プラットフォームにより、評価テンプレートやフィードバック、360度評価などのプロセスが標準化され、誰でも同じ基準で評価可能に。

事例では、グループ全社で一元管理し、評価基準の属人性を排除。結果として、従業員は評価プロセスや人事判断への信頼感を高め、公正かつ納得感ある制度運用へとつながったと報告されています。

複数拠点や多国籍チームへの導入事例も紹介

グローバルに展開する企業では、複数国内外拠点への導入事例が豊富。例として、H社グループでは1000社超・35万人にわたる従業員へ同一プラットフォームを浸透させ、研修や評価制度を統一。

マネージャーはリアルタイムで学習進捗と評価結果を確認でき、必要な研修が適時提供される仕組みに。さらに、自主的学習やキャリア開発が促進され、全社で能力水準を均一化する効果が得られています。

Cornerstoneの主な特徴と強み

Cornerstoneは、AI搭載のスキルグラフを中心に、採用・学習・評価・後継者育成・配置を統合するグローバルHCM「Cornerstone Galaxy」プラットフォームで、組織の即応性を高めます。導入企業は多業種・多地域に広がり、高い評価と信頼を得ています。

業界唯一の統合型タレントマネジメントプラットフォーム

Cornerstone Galaxyは、学習管理(LXP)、パフォーマンス管理、後継者育成(Succession)、タレントマーケットプレイス、採用など複数モジュールを一つのクラウド基盤で統合。

各モジュールは連携し合い、学習・評価・配置までの人事プロセス全体をシームレスに管理できます。これにより部門横断的な人事オペレーションがスムーズになり、組織全体の生産性と可視性を向上します。

AI・機械学習を活用したスキルマッチと成長支援

**Cornerstone Skills Graph(AIスキルグラフ)**は、50,000以上のユニークなスキルを2億5千万以上のプロファイルから分析し、従業員のスキルと目標に最適な学習コンテンツやキャリアパスを自動推薦します。

機械学習によりスキルギャップを特定し、内部人財の配置・キャリア開発・後継者候補選定を戦略的に支援。学習と評価を連携させることで、個人と組織の成長を促進します。

セキュリティ・ガバナンス体制と高い信頼性

Cornerstoneは、米国国防省のDISAからImpact Level 4(IL4)暫定認証を取得しており、政府級の厳格なセキュリティ要件にも対応可能です。EU‑US Data Privacy FrameworkやGDPRにも準拠し、個人データの管理や越境処理に関して透明性と信頼性を確保。

さらに、プラットフォーム全体にわたって商業的基準の技術的・管理的セーフガードが実装されています。

料金体系と導入の流れ

Cornerstoneは、採用・評価・研修・配置までの機能をモジュール単位で選べるサブスクリプション型クラウドサービス。導入規模や必要モジュールに応じたライセンス費用と、要件整理から運用開始までの導入ステップを明瞭に提示します。

ここでは、料金体系と導入の流れを解説します。

モジュールごとのライセンス構成と料金目安

Cornerstoneは「Performanceプラン」や「Learningプラン」等、機能モジュール別にライセンス提供され、ユーザー数・目的に応じた契約が可能です。

一般的な市場情報によれば、最小使用で 1ユーザーあたり月額約 USD 6〜11(Performance または Learning 各モジュール)からの契約が報告されており、年間利用料の平均は 約 USD 69,000 程度とされています。実際には企業規模・導入モジュール数により大きく変動し、カスタム見積もりが標準です。

導入ステップ|要件整理〜カスタマイズ〜運用開始

導入プロジェクトは「Initiate(要件整理)」〜「Design(設計)」〜「Deliver(構築・テスト)」の3段階に分けられます。通常は導入開始からおよそ10週間程度で、本番環境を構築し、管理者ユーザーやセキュリティ設定、ブランディング等まで完了します。

カスタマイズや拡張要素がある場合は、フェーズごとに専任コンサルタントや技術担当者が連携しながら進行します。その後「Acceptance(承認)」を経て運用開始となります。複数モジュール導入時は、同様のサイクルをモジュールごとに繰り返し適用します。

無料トライアルやPoC導入の有無

公開情報では、Cornerstoneが標準的な30日間無料トライアルを公式に提供している明確な記載はありません。

ただし、導入前にPoC(Proof of Concept)やデモ環境を活用することは一般的であり、ベンダーや導入パートナーと協議のうえ、限定ユーザーによる試験導入や評価用環境の提供を受けるケースもあります。こうしたPoCにより、特定モジュールの操作性や自社への適合性を事前検証できる形式です。

他社人事評価システムとの比較ポイント

CornerstoneとWorkday、SAP SuccessFactorsとを比較し、人事評価・育成・グローバル対応・スケーラビリティの観点から特色を整理しました。

ここでは、導入検討段階で押さえておくべき比較ポイントをお伝えします。

Cornerstone vs Workday|育成との連携力の違い

Cornerstoneはラーニング(Learn)と評価(Performance)を密接に連携させるタレントマネジメント設計が特徴で、学習成果を評価プロセスへ直結させることで個人の成長サイクルを強化します。

一方、Workday HCMは操作性の評価が高く、特にサポート品質や使いやすさで高評価。Workdayは直感的なUIと統合運用に強みがある一方、Cornerstoneは育成と評価の連動による成長ドライブ設計に優れており、教育と評価を戦略的に統合したい組織に適しています。

Cornerstone vs SAP SuccessFactors|グローバル対応力で差別化

SAP SuccessFactorsは広範な機能カバレッジと世界中での導入実績により、タイプ別機能においてほぼ網羅的なサポートを提供。

対して Cornerstoneは、学習領域での機能サポート率では高い実績を誇り、グローバル対応や包括的な機能幅では SAP が強み。ただし、教育連携重視なら Cornerstone、機能網羅性と多言語・規制対応を優先するなら SuccessFactors が適しています。

中小〜大企業まで柔軟に対応できるスケーラビリティ

Cornerstone は、モジュール単位での選択導入が可能で、中小企業から上場企業・多国籍企業まで幅広く対応できる柔軟性が大きな強みです。モジュール追加やユーザー規模の変動にも柔軟に対応できる設計で、導入フェーズに応じた段階的拡張が可能。

Gartnerレビューでは、中規模組織から大企業までの採用事例が確認され、総合評価も高いです。費用対効果や導入支援が得やすく、段階的成長を狙う組織にとって意思決定しやすいプラットフォームです。

Cornerstoneはこんな企業におすすめ

Cornerstoneは、人事評価と育成の連動を重視する企業、グローバルに展開する多拠点企業、そして属人化から脱却して制度を標準化したい企業にとって、理想的なタレントマネジメントプラットフォームです。

ここでは、どんな企業におすすめか解説します。

人事評価と教育研修を一体で進めたい企業

Cornerstoneは「学習管理(LMS)」と「人事評価(パフォーマンス管理)」をシームレスに連携できるクラウド型HCMシステムです。

従業員が学習した内容を評価制度に反映させることで、成果と成長を可視化しやすく、スキルアップがそのまま評価につながる仕組みを構築できます。特に、OJTだけでなくeラーニングや自己学習も評価プロセスに組み込めるため、教育と人事評価を戦略的に一体運用したい企業に適しています。

多拠点・グローバル展開している成長企業

Cornerstoneは40言語以上に対応し、世界7,000社超で導入されている実績を持つグローバル標準のプラットフォームです。多拠点・多国籍の従業員に対しても、統一された評価制度や育成プランを展開できるため、本社主導のタレントマネジメントを実現したい成長企業に最適。

現地ごとの法規制や多言語対応も柔軟に設定でき、グローバルでの人財最適配置と育成戦略の一元管理を可能にします。

属人化を解消し、評価制度の運用を仕組み化したい企業

評価の基準が曖昧だったり、上司の主観に依存していたりする運用から脱却したい企業にとって、Cornerstoneは強力な武器となります。目標設定・進捗確認・フィードバック・評価のすべてをシステムで一元化し、透明性と公平性を担保。

加えて、テンプレートやダッシュボード機能により評価内容の標準化が進み、人事部門の業務負担を大幅に軽減できます。属人化を排除し、持続可能な制度運用を確立したい企業におすすめです。

運営会社「Cornerstone OnDemand」について

Cornerstone OnDemand(現Cornerstone Inc.)は1999年に米国カリフォルニア州サンタモニカで創業され、現在は世界7000社以上、140万人超のユーザーに採用されるクラウド型タレントマネジメント企業です。世界各地に拠点を持ち、多言語対応やAIを活かしたサービスを展開しています。

ここでは、運営している会社について詳しく解説します。

企業概要と沿革

Cornerstone OnDemandは、1999年に「CyberU」として創業し、2005年に現在の名称に改称。オンライン学習からスタートした同社は、学習(LMS)から採用、評価、継承、配置まで幅広いHR機能を統合したSaaSベースのHCMプラットフォームを提供します。

2011年にはNASDAQでIPOを果たし、2021年にはプライベート・エクイティ企業 Clearlake Capital により買収された後も成長を続けています。現在では、世界7,000超の組織で使用され、140百万以上の利用者が、186ヶ国・多数言語環境下で活用しています。

世界の人財マネジメントをリードする背景

CornerstoneはAI搭載のスキルグラフとCornerstone Galaxyプラットフォームにより、組織の即応性(workforce agility)を促進し、スキルギャップの可視化や内製的人財開発を支援。世界中での導入実績、業界アナリストによるトップ評価(Forrester、Fosway、Aragonなど)や複数の受賞歴により、信頼と実績が裏付けられています。

また、長年にわたる買収・統合(Saba、SumTotal、Grovo等)を通じて製品ポートフォリオを拡大し、教育とタレント管理の両面で優位性を確立しています。

日本法人の展開状況とサポート体制

日本においては、Cornerstoneのパートナーを通じて導入支援や技術サポートが提供されています。Human Capital Center of Excellence の支援により、日本企業向けの戦略立案、実装、API連携、ローカライズにも対応。

パートナー/チャネル経由で約400社以上の顧客をグローバルに支え、多言語対応や現地法規制への配慮も含めた包括的なサポート体制が構築されています。加えて、専任のカスタマーサクセスチームと地域サポートにより、導入後の定着支援や継続的な活用促進が可能です。

よくある質問

ここでは、Cornerstone導入前に寄せられる代表的な質問と回答をまとめました。既存制度からの移行や海外展開、多言語対応、ラーニング連携、テンプレートの柔軟性まで、導入検討時に押さえておきたいポイントをご紹介します。

Q. 既存の人事制度を移行できますか?

Cornerstoneでは既存の人事評価制度や運用ルールを反映したカスタマイズ設計が可能です。現在使用している評価シートや目標設定項目、評価フローなどを、クラウド上に再現・統合することができます。

また、CSVやAPIを活用した評価データのインポート機能も備わっており、過去の履歴を保持した状態でスムーズな移行が可能です。既存制度の移行に際しては、パートナーやカスタマーサクセス担当による導入支援も受けられるため、制度の移行ハードルを最小限に抑えられます。

Q. 多言語・多通貨・海外拠点に対応していますか?

Cornerstoneはグローバル対応に優れており、40以上の言語・複数通貨・多国籍組織での導入実績があります。地域別に異なる人事制度や労務管理ルールに対応できる柔軟な設計が可能で、各拠点のローカル要件を満たしながら統一された評価・学習制度を運用できます。

さらに、UI言語の切り替えや権限管理機能により、各国の管理者が自律的に運用できる環境を構築できます。多拠点にまたがる企業の人事戦略を、システム面から強力に支援します。

Q. ラーニング機能との連携は必須ですか?

ラーニング機能との連携は必須ではありません。Cornerstoneはモジュール単位で導入が可能なため、「Performance(評価)機能」だけを単独で利用することもできます。

ただし、評価とラーニングを連携させることで、スキル開発→目標設定→評価フィードバック→次の学習提案という好循環が生まれ、タレントマネジメント全体の効果が高まります。後からラーニング機能を追加することも可能なので、段階的な導入戦略にも柔軟に対応できます。

Q. 評価シートや目標管理テンプレートのカスタマイズは可能ですか?

Cornerstoneでは、各企業の運用フローに合わせて評価シートや目標管理のテンプレートを柔軟にカスタマイズできます。職種別・階層別の評価項目設定や、OKR/MBOといった運用方法への対応、入力形式(数値・選択肢・コメント)の設定などが可能です。

加えて、ワークフローや承認フローも自由に構築できるため、自社独自の評価制度をクラウド上で再現できます。シンプルなテンプレート活用から高度な制度運用まで、幅広い柔軟性を備えています。

まとめ

Cornerstoneは、人事評価とラーニングを統合し、企業の人財育成と戦略的人事を支援するクラウド型HCMプラットフォームです。OKRやMBOとの連動、多言語・多通貨対応、スキルデータに基づくAI推薦などを備え、国内外の成長企業に選ばれています。モジュール単位での導入や柔軟なカスタマイズにより、中小企業からグローバル企業まで幅広く対応可能。評価制度の見える化、属人化の解消、育成との好循環を実現したい企業にとって、Cornerstoneは強力な選択肢といえるでしょう。

目次